『The Emancipation of Mimi』は“声の復活”を象徴する1枚になると、最初は囁かれていた。マライア・キャリーを女性アーティストのトップに押しあげたガラスも砕けるような声の復活が期待されたのであり、また、ほぼ復活は成し遂げられた。しかし、本作品に参加した才能ある面々の力を考えると、このアルバムを単なる復活の作品と呼ぶのはもったいない。本当かどうか確かめたければ、“ビヨンセは目じゃない、まだミミはいける”と告げる「Mine Again」、あるいは70年代のソウル風で「American-Idol」風のラブ・ソングを排除する「Circles」、あるいは魅惑的なゴスペル「Fly Like a Bird」、「Stay the Night」をすぐに聞いてみるといい。だが、過去を振り返らずに2005年らしい曲を探すのならば、「To the Floor featuring」に続く言葉を追ってみるといい。ネリーとのコラボは腰を大きく揺らすような曲で、一方「One and Only」ではトゥイスタが破壊力のあるヴォーカルを聞かせている。スヌープ・ドッグ、ファレル・ウィリアムズ、ジャーメイン・デュプリも同様に参加している。こうしたゲストたちの声に絡むマライアの高音、『The Emancipation of Mimi』は聞く者すべてを解放してくれる、純粋なポップの魔法のような作品だ。(Tammy La Gorce, Amazon.com)
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・ レコチョク Best : 10. The Emancipation of Mimi (2005)